お灸の歴史
今から約三千年前、薬草の宝庫と云われる中国の揚子江に発祥しました。その後東洋医学、漢方療法として現代まで継承され続けてきました。
約千二百年前、平安時代のころ、中国からの仏教伝来により、日本にやってきました。以来、身近な民間療法として明治初期まで漢方薬とともに医療の中心でありました。
お灸は日本でさらに進歩し、その後ヨーロッパへと伝えられました。お灸の原料となる「もぐさ」は「MOXA」として遠く西洋の地でも普及しつつあります。一般の医療では直りにくい症状に効果が期待されているからです。
東洋医学では、人の体そのものが自然の一部だと考えられています。そのため、無理に病気を治すのではなく、人間本来の自然治癒力を高め治療する、そのために一役かっているのが『お灸』なのです。
お灸の原料 〜モグサについて〜
“もぐさ”とはお灸の原料となるものです。では、そのもぐさ、一体何からできているのでしょうか?実は、草もちなどに混ぜる”よもぎ”からできているのです。
よもぎを天日で乾燥させ、その後臼などでつぶしたり、ひいたりして葉の繊維をくだきそれをふるいにかける…。その作業を何回も繰り返すと、良質なもぐさができるのです。
よもぎとは?
よもぎとはキク科の植物で全国に分布しています。
多年草で30種類ほどの品種があります。幹の下の部分は木のように堅く、枝を切れば5~10センチの高さにまっすぐ伸びます。枝から出た葉は、羽のように分かれ、葉の裏にはうぶ毛があるのが特徴です。枝先にとんがり型の沢山の花が咲き、花びらはありません。おしべとめしべが玉子型に固まっています。花は2mm程、薄黄色で、実は10月ごろに長い楕円形になります。このうぶ毛が最良もぐさになるのです。
よもぎは優れた効能を持っているのです。
主に…
- 発ガン物質抑制(抗ガン効果)
- がん細胞死滅
- コレステロール抑制
- 血清脂質減少
- 肝機能改善
の効果があるとして、最近注目されています。また、老化防止・不眠症・黄疸・冷え性・発汗・利尿・消炎・リウマチ・関節炎・生理不順・おり物・便秘解消・消化機能促進などの効能があります。
※別データ参照: よもぎの成分表